どもりやすい時を知っておく/あなたは孤独ではない
吃音症であっても、あまりどもらずに話せる時がありませんか?
逆に、何を言ってもどもってしまい、些細な会話をすることも嫌になる時もあるのではないでしょうか。
吃音には、”波”があります。
どもったり、どもらなかったりする時に一喜一憂する気持ちを少なくしていくために、
「今、波の底にいるから特にどもるんだ。きっとこの状態がいつまでも続くわけではない。」
とか、
「最近比較的スラスラ話せるけど、いい波にいる可能性が高いから、治ったと思ってはいけないな。」
と、今の自分を客観視すると、少しは気持ちが落ち着くかもしれません。
波は、勝手にやってくるものなので、自分でコントロールすることが出来ません。
なので、冷静に受け入れる努力をしましょう。
もっと大切で、目を向けるべきなのは、コントロールできることです。
波とか関係なく、私たち吃音者にとって
・どもりやすい状況・シチュエーション
・どもりくい状況・シチュエーション
というものが確かに存在します。
具体的に挙げてみましょう。
あなた自身も振り返って、合致していないか考えてみてください。
・会話の相手が複数人の時
・周りに他の人がいる時
・雑談、他愛のない会話
・相手の機嫌が悪いと感じる時
・頼み事をする時
・連続で話し過ぎた時
・既に精神的ダメージを受けていた時
上記以外にもあなた独自のどもりやすい状況というのがあるでしょう。
吃音者はたくさんいますが、どこでどもりやすいかは人それぞれでしょうから。
できれば、
「自分がどこでどもりやすいのか」を紙に書いて置くことが賢明です。
どもりやすい状況を事前に自分が把握しておくことで、会話を保留したり、タイミングを変えるという行動に出ることが出来ます。
どうしても避けられない状況もありますが、それは致し方ないので、結果を受け入れることだけに注力しましょう。
自分の心を傷つけないように、
出来る限りの配慮をしましょう。
自分のための配慮を。
どうか自分のタイミングで話すことを恐れないでください。
思ったことを直ぐに言うことがいいわけでは決してないのですから。
外向型の人たちにとってはそれは当たり前のことですが、
別に同じようにする必要は全くないのですから。
「今どうしても言わなくてはいけない」
という状況はかなりまれなはずです。
話すタイミングは自分でコントロールできるのです。
誰かに指図される筋合いはありません。
そう考えると、少し心が軽くなりませんか。
上手く話せない自分は、
「賢さ・人間らしい思慮深さ」故の代償だと受け入れてあげてください。
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あなたが気兼ねなく話せる大切な人に〝自分のこと〟を知ってもらうことは、
吃音と向き合うために非常に重要なポイントです。
吃音や、それに伴う精神的苦痛は、非吃音者には理解しがたいことです。
このことに関して、あなたが孤独を感じていることは間違いないでしょうが、
向き合うためには、
「だから理解しあえない」ではなく、
「理解してもらう努力をしてみる」という気持ちにもっていくことが大切です。
吃音で大変な思いをしていること。
自分でコントロールできないということ。
話すことが怖いということ。
あなたの切なる心の叫びを信頼できる人に思い切って話してみましょう、
聞いてもらいましょう。
できれば口頭で、
それも困難であれば、紙を駆使して伝えても大丈夫です。
相手が理解してくれた場合、協力的な人であればきっと、
「よく話してくれたね」
「分かってあげられなくてごめんね」
「困ったことがあれば、何でも相談してね」
などと言ってくれるでしょう。
そして、あなたをサポートしてくれるはずです。
(そのために、話す相手は、私をありのまま受け入れてくれる「批判的ではない」人を選びましょう。)
きっと共感してもらえる部分はあるでしょうから、あなたも心が軽くなるはずです。
吃音は決して孤独ではないのですから。
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