正しい知識②-吃音は「吃音」と認識した時から始まる/吃音者になる人の特徴
吃音は「吃音」と認識した時から始まる
どもる人=吃音者 ではありません。
世の中には、
「話すたびにどもるけれど、非吃音者である人」が結構います。
彼らと私たち吃音者との違いは何なのでしょうか?
それは、どもることに対する認識の違いです。
非吃音者の人は、いくらどもろうが、
「あ、噛んでしまった」以上の感情は生まれません。
何か発表の舞台でどもれば、恥ずかしい思いはするでしょうが、
その場限りの感情なのです。
非吃音者の人には、どもらずに話そうとする概念がありません。
どもりはあくまでで現象なので、話した後に気づくのです。
なので、話すことに緊張はしても、
どもるかどうかの”予期不安”は皆無なのです。
一方で、吃音者は、
「どもらずに話そうと」意識して話している人であり、
自分が「吃音者」だと認識している状態です。
これはつまり、
原因は分からないけれど、
過去に、どもったことに対しての”強いトラウマ”を抱えてしまったことで、
いつの間にか、
どもること(吃音)に対して、強烈に”嫌悪感”を抱くようになり、
どもりは恥ずかしいこと。
そして、次第にどもりを隠そうとするようになった人を指します。
簡単に言うならば、
どもりに悩む人=吃音者
どもりに悩まない人=非吃音者です。
吃音は「どもる」という現象を指すのではなく、
”認識”の問題なのです。
吃音者になる人の特徴
スラスラと言葉を発せる人は、当然非吃音者です。
良くどもったりする体質の人でも、
話すことにストレスを感じなければ、非吃音者です。
1、どもりやすい体質の人で、
2、人一倍周りの目が気になる感受性の強い(悩みやすい)性格の人
そして、
3、過去にきっかけとなった強いトラウマが起きた人。
以上の条件を満たした人が、望まずとも吃音者となったのです。
「何で自分が…」と落ち込みたくなる気持ちはよく理解できますが、
落胆する前に、よく聞いて下さい。
上記の項目2
「人一倍周りの目が気になる感受性の強い(悩みやすい)性格の人」
を冷静に見てください。
感受性が高いというのは、様々な面で長所となります。
五感が敏感であり、”才能気質”がある人が多いです。
物事を深く考えることが出来るので、
人よりも「的確な判断」を出しやすいのです。
吃音症を乗り越えてきた有名人は実はたくさんいます。
アナウンサーや総合司会者として活躍した小倉智明、
20世紀を代表する女優のマリリン・モンロー、
世界的プロゴルファーのタイガーウッズなど、
まだまだたくさんの人物が挙げられるのですが、
彼(女)らは全員、「昔は吃音症だった」と言われています。
吃音症は、決して欠陥人間ではなく、
むしろ選ばれし、”優秀な資質”をもった人間なのです。
中々実感を持つのは難しいかもしれませんが、
自分の吃音は、”優れすぎた資質”ゆえの代償であると理解し、
「自分が吃音症であること」に誇りをもって生きることのが、
今後のあなた人生にとってかなりのプラスになると思います。