吃音症を抱えている人がラクに生きるヒント

吃音症と”共生”し、吃音の悩みを乗り越えていくためのブログ

正しい知識③-吃音の自然回復

吃音の自然回復

多くの吃音者は、吃音の症状を軽減させるためのテクニックを駆使して、

どもらないための努力をしています。

 

具体例としては、

挿入…「ありがとうございます」→「どうもありがとうございます」

言い換え…「ご飯食べたよ」→「食事したよ」

助走…「お疲れ様です」→「えっと(あのー)、お疲れ様です」

や、

随伴症状…足をたたく、腕を振るなど、話す時に一緒に生じる身体の動作。

 

などがあります。

 

しかし、これらのテクニックによる、成果は一時的なものであり、

使い続けるにつれて、その効果が無くなっていくという、

吃音特異の性質があります。

 

あなたも、自分に効果があったテクニックが、直ぐに使えなくなって、

悔しい思いをしたことがあるのではないでしょうか。

 

 

なぜ、効果がなくなってしまうのでしょうか?

 

その原因は、吃音という症状をよく考えてみると見えてきます。

吃音は、脳が自分を守るためのセンサーだということを先にお話ししました。

 

脳のセンサー(つまりどもること)に抗おうとすると、

脳は、どうするか、

 

さらにセンサーを働かせるのです。

意思と脳がケンカしてしまうのです。

 

 

つまり、テクニックを使い、たまたま上手く話せるようなことがあると、

脳は、そのテクニックを悪だとみなして、使えなくさせるように働くのです。

これが、吃音が自然回復してしまう理由なのです。

 

 

こう書いていくと、改めて吃音という症状が、

非常に厄介で難しいことが分かります。

 

 

だとするならば、吃音者は一体どうすれば良いのか。

このまま吃音に囚われ苦しみ続けなければならないのか。

 

 

いえ、吃音者が救われる道は必ず開けます。

まずは、やはり理解し、症状を”客観的”に感じてみるところから始めてみてください。

 

 

ーーー○正しい理解ーーー

吃音は小手先のテクニックでどうにかなるものではないということ。

 

テクニックを使えば、一時的に上手くいくこともあるかもしれないが、

長い目で見れば、意味がなく、むしろ逆効果である。

 

本当にやっていくべきことは、

何度も繰り返されている「自分の吃音を受け入れること」

とても難しいことではあるけど、

吃音の苦難から脱するためには、これしかないということ。

ーーー

 

これらを身体に落とし込み、

そして、吃音センサーが出た時に、それを心で冷静に感じていくこと、

 

言いたい

でもどもる、言葉が出ない

どうしよう

 

ではなく、

 

言いたい

でもどもる、言葉が出ない

自分を受け入れる。体の反応を肯定する。

どもる

受け入れる

 

この繰り返しです。 

 

実際には、「相手の立場」を考えると、

時間をとらせてしまっている…

イライラさせてしまっている…

とかを考えてしまうので、

 

 

ただどもりを受け入れるだけというのは想像以上に難しいのですが、

相手を信頼して、

相手が自分を受け入れてくれる人に対しては

特に「自分のペース」で話すことを続けてください。

 

 

また、吃音歴が長くなると、

中止…話すことを止める

回避…話す場面を避ける。

も行うようになると思います。

 

 

これが、いいかどうかはともかく、

そういう行動に出た自分をやはりまずは受け入れるということが大切です。

「これだけ辛い思いをしたら、話すのを止めたり、逃げたくなるのは当然だよな」

と割り切って他人事のように自分を考えてみるのです。

 

実際に吃音者は、相手に対する悪意なんて微塵もなく、

苦渋の想いでこの選択をしているのですから。

悪く思う必要は全くありません。

 

もっともっと自分を受け入れてあげてください。

 

 

自分を受け入れれるようになると、

それらの気持ちは薄れていくでしょう。

 

あまり深く考えずに、

今の自分の現状を否定せずに見つめてみましょう。